ソーシャルメディアとハイパーローカルメディアについて講演しました

先週は11月30日(火)に福岡、12月2日(木)に神戸と、講演の機会をいただきました。

11月30日は、農商工連携の取り組みの一環として福岡で開講されている「食業塾」の講座でした。12回講座の10回目ということで、テーマは「消費者に思いを伝えよう!小規模企業でもできる効果的な情報発信」。1コマ目は90分間講演、2コマ目はグループワークを行いました。

情報環境が劇的に変わる中、広報、プロモーションの手法も大きく変わっているのは周知のことですが、多くの企業や事業主の方が、まだこれを実感し、使いこなすまでには至っていません。ターゲットコンシューマや販売エリアなど、各々の商品、サービスで条件が違いますので、新しい手法がすべてよいとは言いません。ただ、新しい手法を知った上で古い手法を使ったり、効率的に組み合わせた方が、より展開に厚みが増すのではないかと思います。

講座では、新しい手法、特にソーシャルメディアを使ったマーケティング事例などを紹介しながらも、ターゲット、シチュエーションによる媒体選別、組合せの重要性、消費者からみた導線設計についてお話しさせていただきました。グループワークでは、マインドマップ風の絵を書きながら発想を広げていただき、クロスメディアプロモーションを意識した広報プランを考えていただきました。

12月2日は、新聞業界の労働組合主催のセミナーで「ハイパーローカルメディア」についてお話しさせていただきました。

最近、米国などでは、ハイパーローカルメディア(超地方メディアとでも訳したほうがよいのでしょうか)が注目されています。これらは、既存のマスメディアがある一定の広域エリアをカバーして成立していたのに対し、もっと狭域エリアで成り立つ、いわば生活圏域のメディアみたいな存在です。これが、ウェブを上手く活用することで全米に広がりを見せているのです。

これらのハイパーローカルメディアには、新聞社が運用するもの、AOLなどウェブ系企業が運用するもの、独立系など様々な形態があるようです。成功モデルもいくつかあるようですが、閉鎖するサービスがあるのも実情で、プロ編集者の運営手腕や、ランニングコストの効率化、市民とのコラボレーションなどが、上手くいくか否かを左右する大きなファクターになっているようです。

ソーシャルメディアとハイパーローカルメディア、どちらもメディアのスタイルとしては新しい考え方です。ただ、メディア=情報受発信のなかだちを果たすもの、と考えれば、新しい道具が登場し、コミュニケーションのスタイルが変わったために、必然的に登場したメディアだということができるのかもしれません。